医療現場でチームワークを成立させるために

医療におけるチームワークの重要性に関する理解が広まってきました。チーム医療によって困難な症例にも取り組んでいくことが、近年では基本的な考え方になりつつあります。

しかし、チーム医療が求められるようになってからも、チームワークが悪くてなかなか成果に結びつかないケースもしばしばあるのが実態です。今までは、医師が主導して医療サービスを提供している現場が多かったため、チームといっても階層構造ができてしまっている場合が多く、それによって他の医療スタッフが本領を発揮できないままになってしまっているケースが度々見られます。

とはいえ、チームワークが浸透し、医療機関でしっかりと機能しているケースも徐々に増えてきました。成功しているケースでは、失敗しているケースと比較すると、ある共通点があるようです。その一つが、キーパーソンがいるかどうかという点です。医師からの信望が厚く、医師に対してもある程度しっかりと意見を言える立場の人が、チーム医療には欠かせないようです。そして、そのキーパーソンがあらゆるスタッフに手を差し伸べていくことにより、チームワークが上手く機能するという実例は多々あります。

ちなみに、チーム医療のキーパーソンとして活躍しているのは、看護師がほとんどです。もともと医療現場における橋渡し役として活躍している看護師は、チーム医療で大きな役割を担っています。そのため、チーム医療を成功させるためには、看護師が医療現場におけるチーム作りの要であるという認識を持つことが重要です。